お問い合わせや見積もり時に、たまに出てくるワード

「ディーラーのコーティングと何が違うの?」

「ディーラーのコーティングはやっぱり良くないの?」

 

先日の作業で、久しぶりに考えさせられる内容に遭遇したこともあり

会社員として10年間はディーラーからの仕事をメインにやってきて
独立してから9年間(うち4年間は今の店舗)の経験をもとに

自分なりの考えを書いておきたいと思います。

 

 

コーティングの種類としては、まず根本として
ディーラーやガソリンスタンドだろうが、専門店だろうが関係なく
「酸性のケミカルを使用できないガラスコーティングは、やらない方がよい」と考えています。

ガラスコーティングは劣化しづらく耐久性があるため(だと思っているのですが、、、)
他のコーティングに比べると、高額になる傾向があります。
(決して、原材料が高いからでは無いと思っています。)

 

当店で使用しているコート剤は、すべて酸性ケミカルを使用する事を前提に作られています。

コーティングは活かしたまま、汚れのみを分解除去するメンテナンスができるため
ガラスコーティングの長所とも言える耐久性を活かしつつ、見た目の美しさも維持できます。

そうではないガラスコーティングは、その汚れを落とすための酸性ケミカルによって
コーティングごと分解されてしまうため、しっかりとした汚れ落としができません。

 

愛車を美しく保ちたいから、高いお金を支払ってガラスコーティングをしたのに
汚れが気になったとしても、それを落とすには再施工になってしまうとか

汚れているように見えますが、コーティング層がしっかりと受け止めているので、塗装面には何の問題もない。
とか意味不明な説明も、一時期流行ったような、、、笑

 

高いお金を支払ったからこそ、それを落としてしまうことに躊躇するのは当然だと思います。
ただ、それで汚れたままで我慢してしまっては本末転倒です。

 

「コーティングは手段のひとつなだけであって、目的ではありません。」

 

美しく維持したいという目的の妨げになってしまうようなコーティングは、やらない方がよい。

また、もしコーティングとは違ったもので美しく維持できるのであれば、コーティングにこだわる必要もない。

 

まずは、これが僕の根本的な考えです。

 

 

そしてここからが、ディーラーと専門店での違いなのですが
国産車ディーラーと輸入車ディーラーで、少し状況が変わりますので、まずは国産車ディーラーから

 

ディーラーと専門店の違いについて検索してみると

我々専門店では、高度な技術を持ったプロにしか扱えないコーティングを、、、とか
ディーラーの人はシロウトですので、そのような人にでも扱えるようなコーティングを、、、

と言ったような
いかに自分たちが特別な事をやっているんだ的な専門店のサイトがしばしば見つかります。

 

間違ってはいないのかもしれませんが、正直それは違うよね?と感じます。

 

そもそも、ガラスコーティングはまんべんなく塗り込んで、しっかりと拭き上げるだけ
すべて手作業で、難しい作業ではありません。(コツや慣れは必要だと思います。)

 

今となっては、国産車ディーラーではコーティングを自社で内製していますが
僕がまだ会社員で、ディーラーの仕事をバンバンこなしていた頃に、内製になる過渡期がありました。
(今から13~14年くらい前でしょうか、、、)

当時は内製に向けて、施工するコーティングは決まっているのに技術者がいないため
各店舗で保管しているコート剤を提供され、作業だけを請け負うという依頼がすごく多かったです。

 

今でもいろいろなディーラーが採用している、QMI、CPC、ガードコスメなどなど
個別のメーカー独自の物で言えば、日産の5イヤーズコートやレクサスコート

いわゆるディーラーコーティングをいろいろ施工してきた経験がありますが
誰でもできると言えばできるけれど、そんなに簡単な物ではありませんでした。

 

いつまで経っても拭きムラが消えなかったり
拭く感覚が重く、拭いているうちに拭きキズが入ってしまったり、、、

塗って拭き取るだけのガラスコーティングですから
それをキレイに仕上げるのに時間がかかったり苦労してしまう物は、難易度が高いと言ってよいと思います。

 

逆を言えば
今、自分がメインで使っているコート剤は、塗るのも拭くのも非常に楽です。
塗装がデリケートなホンダの黒でも、キズが入ってしまうこと無く仕上げられます。
コーティングとしての性能はモチロンですが、作業工程についても考えられたすばらしいコート剤です。

入念に研磨し、キズひとつ無い状態に仕上げたとしても
コーティングの施工でキズが入ってしまっては台無しです。

施工が楽で美しく仕上がるコート剤を選択するのも
コーティングに特化した専門店だからではないのかな?と思います。

 

 

そして、完全に内製になってからのお話し。

 

僕の元同僚が、あるディーラーの内製を行う集中センターに行ってしまったのですが
1台あたり1万円にも満たないような工賃で、忙しい時期は1日6台のノルマ、、、

がんばって残業をしたとしても、1台にかけられる時間は2時間程度でしょうか、、、
僕は洗車ですら2時間では終わりませんが(笑)

 

そんな内容な作業なのに、お客さまへは数万円からミニバンなどは10万円近くの請求になります。

 

施工者はどんどん疲弊し、お客さまは内容が伴わない作業に高額を支払う、、、
そのクルマに1番近くで関わった人は誰も得をしないのに、ディーラーだけが得をするのが国産車ディーラーのコーティングだという認識です。
(独立後はディーラーの仕事もしていないため、今はどういった状況なのかは分かりません。)

 

 

そしてここからは
この記事を書こうと思ったきっかけとなった、輸入車ディーラーのコーティングについて

 

つい先日、BMW523iのホイールとウインドのみのコーティングと
少し珍しいパターンの依頼があったのですが

ボディは納車時にディーラーでコーティング済みとのことでした。

 

自分の作業の方は問題なくすんなり終わったのですが、、、

 

作業中からいろいろとツッコミどころが目について仕方がない(汗)

これらの黒く見える線は、すべて新車時の保護シートの糊の跡

 

ボンネットの先端には、保護シートのささくれ的な物が残ったまま!(驚)
本当に信じられません!!

寒くなると、このささくれが残りやすくなるのは分かりますが、言い訳はできません!

 

納車から1ヶ月だそうですが
洗車をしてもサイドステップに付いたタールやその他汚れ、グリス垂れによる縦すじは落ちませんでした。


さすがにこのままでは可哀そうなのと、こういったやっつけ的なのは許せない性格なので
すべて修正し、ドア下の水切り穴に詰まったグリスもできる限り除去しました。

 

お客さまに確認してみたら、やっぱりそうだったのですが
ディーラーではコーティングは自社ではなく、外注に依頼していたようです。

輸入車ディーラーは昔と同じように内製すること無く
コーティングやフィルムなど専門的な内容は、各店舗ごと外注業者に依頼しています。

 

外注作業という事は、この施工を行ったのは僕と同じコーティングの専門業者です。

専門店が施工をしたとしても、ディーラーを経由するとこんな事になってしまう。。。

 

単なる一例であって、たまたまだったかもしれませんが、そうなるリスクは高くなると思います。

 

自分の以前の経験から言うと
基本的には納期優先。こちらが忙しくてもなかなか断ることはできません。
年末や年度末は、特に大変な事態になります。

ディーラーの人とよく顔を合わせるので仲良くはなりますが
普通にキレイに仕上がっているのが当然で、それについて感謝をされる事はありません。
連絡が来るとしたら、お客さまからクレームがあった時。となります。

 

「納期のことばかり言われ、感謝はされず、声をかけられるのはお客さまからクレームがあった時」

 

なんだか書いていて悲しい気持ちになってしまいましたが
そんな環境で仕事をしている人が、前向きな気持ちで責任ある仕事ができるでしょうか。

当時の自分は、当時なりに前向きにがんばっていたつもりでしたが
今考えてみると、、、って思っちゃいますね^^;;

 

またこの当時は自分もそうだったのですが
オーナーさんと直接顔を合わせる事がないので、どうしても 対クルマの仕事になってしまい
自分の作業によって、その先にはピカピカになった愛車を楽しみに待っているオーナーさんがいるんだ
という事を見失ってしまうのです。

 

今の店で仕事をするようになって丸4年。
ほぼエンドユーザーさんを相手にやるようになり
実際に触るのは車(物)はではありますが、結局は人と人とのつながりなんだと痛感しています。

相手の顔が見えて、少しお話をすることで
親身になもなれますし、その人に合ったアドバイスなどもすぐにしてあげられます。
また、差し入れなどをいただいてしまうと、求められている以上の事をやってあげよう!という気持ちになってしまうものです(笑)

 

これはどの業種にも共通して言えることだと思いますが
そういったやりとりの積み重ねが、信頼関係になっていくのだと思います。

 

うちは小さな店なので、受付から作業、受け渡しまで全部自分一人でやっているわけですが
だからこそ、すべてのお客さまを記憶していますし、作業内容はすべて記録しています。

そしてメンテナンスの時には、その記録をもとに作業し、何の問題もなくキレイになってくれれば良いのですが
中には、少しう~んといった箇所が出てくるクルマもあったりしますので
そういう場合は、次回メンテには少しでも改善しているよう工夫してあげたりもしています。

 

あと、急に話が飛びますがガソリンスタンドのコーティングについて

最近はよく目にするお店?メーカー?で
自社で検定制度やコンテストなどもやっていたりするようですが

手際良くコーティング施工する事を競うことに意味があるのでしょうか?

 

手際よく作業をしたからといって、車の輝きが増すことはありません。
お客さまは手際のよさや作業スピードなどは、それほど求めていません。

そもそも、コーティングを塗る工程より、それ以前の工程の方がはるかに大切です。

 

 

話があっちに逸れたり、こっちに逸れたりでしたが最後にまとめ

 

当店も含め、専門店は使う材料、道具、環境にこだわり、整えています。(専門でやっていますので当然です。)
また長年やっているお店であれば、経験を基にしたノウハウをたくさん持っているはずです。

 

最初の施工を丁寧にしっかりとやってもらえるのはモチロンですが
その後、自分の車に合った上質なアフターケアをうける事ができるのが、一番の違いでありメリットだと思います。

また施工者目線で書くと、オーナーさんの顔が見え反応をダイレクトに感じられるだけでもやり甲斐につながります。
そういった、人と人とのつながりも非常に大切だと思います。

 

 

ディーラーは車を購入し、修理や車検などに出す場所

ガソリンスタンドは、ガソリンを入れるだけの場所で良いと思います。

そして、なるべく近くに信頼できる専門店を見つけられるよう探してみてはいかがでしょうか

 

 

これからコーティングをどうしよう~と考えていた人に、少しでも参考に、、、

 

なったのでしょうか???笑

 

 

 

カーコーティング・車の磨き専門店
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